『 食品ロス 』
JoBridge飯田橋 スタッフの原です。
 
 
食品ロスが社会問題になっています。まだ食べられるのに
捨てられる食品、食べ残し、食べきれないストックなど、
食べものを無駄にすることを問題視しているのです。
 
 
 
私も子供のころから食べ物を粗末にしてはいけないと
言われてきましたし、食品ロスは減らさなければいけない
と思ってきました。
 

  
 
しかし、以前、山の中の施設に泊まった時、少し違う価値
観に出会いました。そこは、自然の家といった感じのとこ
ろで、管理している方が宿泊客の食事やお風呂の世話をし
てくれます。食事は野菜と穀物が中心で、そのほとんどが
敷地内の畑で有機栽培されたものです。
 
 
 
私は20人ほどのグループで宿泊していたので、
食事は大きなお櫃や大皿で運ばれたものを各自がとって
食べるスタイルでした。そのため、量の予測が難しく、
残飯が出てしまうこともありました。
そこで、残すのはもったいないから頑張って食べよ
うかと話していたところ、ある人が言いました。
 
 
 
「無理して食べる必要はないよ。身体にちょうどいい分だ
け頂いて、残ったら土に還すから。ここは、食べきれない
分や畑で取れすぎた分は、しっかり下処理して肥料にして
いるから大丈夫。人も動物も植物も時期が来たら土に還る。
 
 
 
その過程で、我々の栄養になってくれるものもあれば、
直接土に還るものもある。このサイクルに無駄なものは
ないんだよ」
 
 
 
私は一瞬戸惑いましたが、言われてみればその通りで実に
理に適っているのです。自然の恵みの一部を感謝していた
だく、その後は土に還って次の恵みにつながるという極め
てシンプルな循環なのです。
   
 
 
私は改めて「食品ロス」って何だろうと考えました。食物
の生産や流通が産業化されたことによる副作用が食品ロ
スであり、利便性と飽食を追求することこそが問題なのだ
と思います。また、残食を単に産業廃棄物として処理する
プロセスも安直です。
 
 
 
少し話が飛びますが、私の地元の北海道ではエゾシカが増
えすぎて生態系を荒らしています。木や草がエゾシカに食
べ尽くされて山が枯れていきます。
 
 
 
道路に飛び出してきて、交通事故を起こすこともありま
す。エゾシカの立派な角や蹄がフロントガラスを突き破る
のは本当に危険です。
 
 
 
エゾシカが増えすぎた原因は、家畜を襲うオオカミを人間
が駆逐して絶滅させたためという説が濃厚です。天敵であ
るオオカミがいなくなり、繁殖力の強いエゾシカが増えす
ぎてしまったのです。
 
 
 
再びオオカミを山に放とうという議論もあるようですが、
人間が襲われる可能性もあり、反対意見も多いようです。
こうなったら、オオカミの代わりに人間がエゾシカの肉を
食べるのが一番良い解決策のように思います。
実際、エゾシカの肉はジビエ料理として食されています
し、味は淡白で日本人向きだと思います。
 
 
 
これらの問題はどの立場や視点から切り取るかによって
見解が分かれ、単純に何が正しくて何が誤りと線を引くこ
とはできないと思います。
 
 
 
ただ、自然のしくみは壮大であり、人間が部分的に最適化
すると大きな代償を払うことになるのだと痛感します。
 
 
 
 

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