JoBridge飯田橋の渡部です。
 
 
 
障害者の就労定着率は1年間で5割といわれている。
その原因は、業務内容の変更、環境の変化、
職場でのコミュニケーション、
GW、夏季・年末年始の休み など様々ある。
 
 
 
中でも指示を出す人が人事異動等で交代する場合、
就労している障害者は休職に至る可能性がある。
それは、企業側の障害者に対しての引継ぎが上手く
出来ていないことによる。
 


 
 
今回、JoBridgeから就労された方(Aさん)が 休職のピンチになり、
会社に行けなくなってしまいました。
 
 
 
難しい内容や見通しを立てたりすることが苦手で 何かを自分で
決めないといけない時に判断することも
苦手な障害特性をお持ちのAさんは
指示されたことは実直に業務遂行する反面、
環境の変化への対応が上手く取れない性格。
 
 
 
昨秋から特別養護老人ホームの清掃をはじめ、
今年に入り仕事も慣れてきて、
自分の業務以外にも 目が行き届くようになってきたころ、
上長の方が異動で交代となり、
新しい方への引継ぎが 上手く行われないでいました。
 
 
 
Aさんは今まで通り、イレギュラーなことが起こった時は
新しい上長の方に聞きに行きました。
しかし、Aさんの障害特性を知らない上長の方は、
Aさんに 「後でやっておいてください。」
「やれたらやっといてください。」 と
指示を出しました。
それが、Aさんを休職へと招いてしまったのです。
 
 
 
曖昧な表現に対して理解できないAさんは いつ、なにを、
どうやって行えばよいのか分からなくなり 頭が混乱し、
体が動かなくなりました。
更にGWという長期休暇で変則的なシフト勤務になり、
いつ出勤でいつ休暇なのかも分からなくなったのです。
 
 
 
複数の要因が重なって起こってしまい、
Aさんはとうとう 会社に行けなくなってしまったのです。
そして、会社を休んでしまったことに対して後悔した Aさんは、
さらに会社に行き辛くなり、休職となったのです。
 
 
 
会社を1か月以上休んだAさん、
もともと寡黙で 自己表現が少ないため、
私は最初何が起こった のかが分かりませんでした。
なんとか職場復帰してもらいたとの思いで、
何度も 対話し、家庭訪問も行いました。
Aさんは、少しづつ自分の体が動かなくなった時の 様子を話してくれました。
 
 
 
働く意欲はあっても、自分のことが伝わらないため 苦しんでいたAさん。
環境の変化・人の変化・時間の変化がAさんを
このような状態まで追い込んでしまったことが 分かった
私はすぐに企業へ連絡し、三者面談を 行ってもらうよう話をしました。
 
 
 
企業もAさんのことを心配してくださっており、
すぐに日程を組んで頂きました。 そして、三者面談当日。
久しぶりに会社に来た Aさんは気持ちが落ち着かない様子でした。
 
 
 
面談でAさんは最大の勇気を出して会話しました。
問題点を洗い出し、改善策をじっくり考えました。
そして、当事者(Aさん)、企業、支援者(私)の合意 のもと、
改善策はできました。
 
 
 
Aさんは指示に従うこと決められたことをすることが
得意ですが、自分で何か考えることが苦手であり
今回のようにイレギュラーなことが起き、
不明確な 指示を出されてしまうと、自分でどう判断して良いのかが
分からなくなってしまうので、常に明確な指示を出して
貰うことが必要不可欠でした。
 
 
 
それは、一日の業務内容の明確化し、
それが文字の 表だけでなく可視化できるようにカードや写真で
Aさん に伝えるというやり方でした。
また、イレギュラーの際に上長に相談できなかった体制 は
常に社員が対応できる体制に変わりました。
こうして、Aさんは無事に職場復帰することが出起ました。
 
 
 
今回の件を通して、
私は、定着面談は根気強く対話して いかないと、
原因究明と打開策が見つからないことを 痛切に感じました。
 
 
 
 


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