JoBridge飯田橋 スタッフの渡部です。
 
 
今日は仕事について書いてみたいと思います。
JoBridgeの利用者の半数以上は、障害者雇用
(いわゆる障害オープン求人)を希望しています。
 
 
 
その障害者向けの求人の多くは、
軽作業と事務職というのが現状ですが、
JoBridgeの利用者は基本的に精神疾患の方で、
知的な障害はないため、清掃や単純作業にはあまり適さず、
必然的に「事務職」を希望する方が多くなります。
 
 
 
そこで問題となるのが、「事務」という仕事は
何だろうということです。
利用者さんの多くは就業経験が浅く(または皆無で)、
事務職のイメージがつかないようです。
 


 
 
確かに、販売職や営業職の人には普段の生活で接する
機会がありますし、研究職や職人などは想像しやすいですが
事務職の実態はわかりにくいと思います。
 
 
 
企業実習で事務職を経験することもできますが、
短期間ではデータ入力や書類のスキャンなど限定的な
「事務作業」しか任せてもらえないため、
「結果的に事務職=パソコン操作する人」と
誤解する方が多いようです。
 
 
 
私の経験では、事務職という独立した仕事がある訳ではなく、
外出せずに社内で完結する業務を担当している人がいて、
その過程でパソコンを使用し、アウトプットとしてデータや
書類ができるにすぎないと思います。
 
 
 
各業務遂行には、業種や部署などに応じた専門知識(
製品、物流、法律、経理、マーケティング、広報…etc)
が必要となります。
 
 
 
または、それらの仕事をサポートするアシスタント的な
役割の人がいて、周辺的な作業を手伝っている場合もありますが、
その場合には専門知識というよりもサポート能力
(例えば、ラベルを貼って見やすくしておこうとか、
誰かがこのデータを使用するので予め整えておこうなど、
言われなくても気づいて実行する)が必要なスキルとなると思います。
 
 
 
ですから、「事務職を目指したい」と言われると、
正直「?」と思います。
それは、何系のスペシャリストなのか、
それとも誰かのサポート業務なのかによって、
適性は大きく変わるからです。
 
 
 
つまり、私が言いたいのは「事務職」という
便利な表現に流されて、
安易な職業選択をすべきではないということです。
 
 
 
事務職は求人の便宜上の表現であって、
一つひとつが別の仕事であり、
それぞれに求められる能力は異なるのです。
 
 
 
今、うまくイメージできなくても、
そのことを心に留めて職業選択をしてほしいと思います。
いわゆる事務職とは成果が見えにくく、
会社にとっても評価が難しい仕事です。
 
 
 
漠然と働いていると「何のために働いているのか」
を見失いがちです。
精神障害者にとって、難しいのは就職よりも安定就業です。
 
 
 
日々の仕事の中で何を習得し、自分の何を活かし、
どんな未来につながっているのか、
そういうことを実感できないと些細なストレスが休職や
退職の引き金になりかねません。
 
 
 
業務に従事しながらも、
日々自分のやりがいについて自覚を深める
努力をしてほしいと思います。
 
 


 

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