JoBridge飯田橋の渡部です。
先日、東京しごと財団へ職場体験実習の申し込みを
するためにAさんと一緒に面談をしに行きました。
Aさんは社会不安障害で人と話ことが苦手な方、
私も最初のうちは話をしても何の返事もかえって来なかった。
Aさんはそれを克服しようと毎日、JoBridge飯田橋へ
通所する前に30分、新聞の記事などを朗読して
声が出るようにしてから来所していた。
朝礼・昼礼でも最初は声が小さく聞きづらかったが、
徐々にみんなの前で発言できるようになった。
そこまでなるのには、1年半の歳月がかかった。
しかし、Aさんにとっては人生のうちで最も大切な時間だった。
というのも、Aさんは他者とのコミュニケーションが
上手く取れず、大学も中退していた。
そして、アルバイトもしたことがなく就労未経験者であった。
でも、Aさんはこのままではいけない、働いてお金を稼いで
生活を出来るようになりたいとの気持ちが強かった。
そして、JoBridge飯田橋の門を叩き就労しようと決意したのだった。
私とプログラムを共にしたのは、Aさんが訓練期を終えて就活期に
なった時であった。
パソコンのスキルは人並みにあり、手作業は苦手という個性があり、
事務補助ならばいけると私は思った。
しかし、ネックとなったのが“あいさつ”であった。
初めての人や環境では声が出ない。タイミングが分からない。
あいさつをして“感謝の気持ちや喜び”が湧かない。
今までの人生の中で人と関わることが苦手であったため、
避けてきてしまったからである。
慣れれば、いろんなことを話してくれるAさん。
しかし、就活は初対面の場面が多くある。
そのため、私は実習面談を徹底的に組み込んだ。
“あいさつ”を実践の中で鍛えていくしかないと思った。
少し荒療治かもしれないが今後、Aさんの人生で初めての場面は
幾度となく訪れるだろう。
その時のために今STT(あいさつ)を訓練するしかないと
私は思った。
就職させるだけが就労移行ではない。その人の人生も考えて
あげてこその支援でありたいと私は思う。
動いた分、新しい自分になる!
就労移行支援事業所 JoBridge飯田橋
~うつ病・発達障害など専門の就労移行支援~
~自分らしい生き方、働き方を見つける場所~