JoBridge飯田橋 スタッフの渡部です。
 
 
食品ロスが社会問題になっています。まだ食べられるのに
捨てられる食品、食べ残し、食べきれないストックなど、
食べものを無駄にすることを問題視しているのです。
 
 
 
私も子供のころから食べ物を粗末にしてはいけないと
言われてきましたし、食品ロスは減らさなければいけない
と思ってきました。
 

 
 
しかし、以前、温泉旅館に泊まった時、少し違う価値
観に出会いました。そこは、自然の家といった感じのとこ
ろで、管理している方が宿泊客の食事やお風呂の世話をし
てくれます。食事は野菜と穀物が中心で、そのほとんどが
敷地内の畑で有機栽培されたものです。
 
 
 
私は10人ほどのグループで宿泊していたので、
食事は大きなお櫃や大皿で運ばれたものを各自がとって
食べるスタイルでした。そのため、量の予測が難しく、
残飯が出てしまうこともありました。
そこで、残すのはもったいないから頑張って食べよ
うかと話していたところ、ある人が言いました。
 
 
 
「無理して食べる必要はないよ。身体にちょうどいい分だ
け頂いて、残ったら土に還すから。ここは、食べきれない
分や畑で取れすぎた分は、しっかり下処理して肥料にして
いるから大丈夫。人も動物も植物も時期が来たら土に還る。
 
 
 
その過程で、我々の栄養になってくれるものもあれば、直
接土に還るものもある。このサイクルに無駄なものはない
んだよ」
 
 
 
私は一瞬戸惑いましたが、言われてみればその通りで実に
理に適っているのです。自然の恵みの一部を感謝していた
だく、その後は土に還って次の恵みにつながるという極め
てシンプルな循環なのです。
   
 
 
私は改めて「食品ロス」って何だろうと考えました。食物
の生産や流通が産業化されたことによる副作用が食品ロ
スであり、利便性と飽食を追求することこそが問題なのだ
と思います。また、残食を単に産業廃棄物として処理する
プロセスも安直です。
 
 
 
これらの問題はどの立場や視点から切り取るかによって
見解が分かれ、単純に何が正しくて何が誤りと線を引くこ
とはできないと思います。
 
 
 
ただ、自然のしくみは壮大であ
り、人間が部分的に最適化すると大きな代償を
払うことになるのだと痛感します。
 
 
 
 


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