JoBridge飯田橋 スタッフの原です。
 
 
最近、グリーフケアの活動をしている友人ができました。
グリーフとは、一般的には親しい人と死別した時の悲しみと、
そこから立ち直らなければという思いが交錯する
不安定な心身の状態を言います。
 
 
 
 
しかし、その友人によると、
広義にはもっといろいろな喪失もグリーフに相当するそうです。
ペットロス、失恋なども一種のグリーフだと言うのです。
なるほどなぁと思って、少し興味を深めました。
 
 
 
数日前、テレビで高齢者の運転免許返納について取り上げられ、
その中で、今話題の「父と母の卒業旅行」という動画が
紹介されていました。
 
 
 
運転歴48年、78歳の父が、家族の勧めで渋々ながら免許返納を
決めたのですが、最後のドライブとして、妻と二人で思い出の地を
巡る旅行に出かけます。
 
 
 
帰ってきたところに息子や娘、
孫たちがサプライズで運転卒業式を行うという感動ストーリーです。
YouTubeで70万回以上視聴されています。
 
 
 
NEXCO東日本による制作で、賛否両論あるようですが、
長年車を運転してきた人にとって、免許返納がとても
大きな決断だということを気づかせてくれるという点で、
とても良いと思います。
 
 
 
考えてみれば、免許返納というのも一つのグリーフだと言えます。
他にも、定年退職や、引っ越しなど、人生には喪失がつきものです。
グリーフでは、感情にふたをしてしまい十分に喪失を悲しむことが
できず、長い間くすぶらせてしまうことがあります。
 
 
 
定年退職など、どちらかと言えば祝うものという風潮がある中、
喪失感をしっかり味わえないお父さんがいても無理はありません。
私自身、長年勤めた前職を自分の決断で辞めたものの、
しばらくの間、達成感や解放感と共に何やら寂しい感がありました。
 
 
 
未来を考えようとするとその寂寥感がふとよみがえり、
今思うと、ちょっとした(プチ?)グリーフを経験して
いたのかもしれません。
 
 
 
大人は自分で決断し、その決断に責任を持つものです。
そのため、決めたことに後悔はしないという信念と抱いてきましたが、
「それでも、どこか寂しい」という感情は後悔とは違うのかもしれません。
 
 
 
人間の感情は複雑で、たくさんの矛盾をはらんでいます。
何かの喪失をきちんと悲しめることもまた、
一つの成熟の形かと思う今日この頃です。
 
 
 
 
 
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